全国のセンチメンタリストの皆さん、こんにちはこんばんは。
センチグッズ収集家のぎると申します。
アドベントカレンダー参加にあたって、何を題材にしようか大いに悩んで考えに考えた結果、20年を軽く振り返る意味でセンチの歴史について書くことにしました。
それでは2018年1月22日に発売20周年を迎えた「センチメンタル グラフティ」の歴史を幾つかの出来事に絞って簡潔に追ってみましょう。
「センチメンタル グラフティ」に関する主な出来事
「センチメンタル グラフティ」シリーズはゲーム発売前に当時としては珍しいプロモーション活動を行い、大規模なグッズ展開を繰り広げるなど色々な意味で有名な作品である。
シリーズのグッズは大半が12人分で発売されたため、大まかにまとめても200種類を超えている。その種類は文具、フィギュア、Tシャツ、テレホンカードからZippoライター、のれんなど多様であり、関連グッズだけを紹介した専用ムック本「SGスーパーコレクション」が出版されるほどの物量である。
「ポスタードリーム」のロケテスト実施
最初に発売されたセンチグッズは1996年末。
アミューズメント専用景品「ポスタードリーム」のロケテスト版である。秋葉原では設置早々に大行列ができて、即日品切れを起こすほどの好評振りであった。
このテスト結果を受けてか、翌年3月よりセンチは当時としては異例と言っていい大規模なグッズ展開を始める。
センチメンタルナイトの放送
97年1月にTBSラジオにて「センチメンタルナイト」が放送開始。
当初はファンタジーワールド内の1コーナーという形で開始され、ほぼ新人声優だけで結成されたSGガールズを補助する形で藤田淑子さんがMCを務めた。
ファーストウィンドウの発売
97年4月サターン専用ソフト「ファーストウィンドウ」が発売。
センチと言えば当時定価の5倍近いプレミアがついたこのソフトが有名であるが、この頃にはグッズを出せば大半が即売切れるという状態になっており、雑誌にはゲーム内容よりも新グッズの発売情報が載るという状況になっていた。
まだネットが発達しきっておらず、(一部の人間を除いて)情報を得るにはゲーム情報誌を読むかファンの口コミしかなかった時代。その人気は留まるところを知らず、グラフに表すと垂直上昇で天井に到達したような形で一大ムーブメントとなった。
マキシシングルの発売
97年5月には初のマキシシングル第1弾が発売される。
声優個人としてではなく、あくまでもキャラクターとしてのアルバムサイズCDの発売は当時としては斬新な試みであった。
この月には「オフィシャルファンクラブ(1年限定活動)」も誕生。
会報CDは6枚発行され、ファンクラブ通販でしか買えない限定グッズもあった。
またアミューズメント施設(所謂ゲーセン)へ本格的に景品が投入されたのはこの時期である。
「the Fineday」の開催
97年7月末に行われた初の単独イベント「the Fineday」。
このイベントで発表、流された映像(後に「暗黒太極拳」と呼ばれ有名になった)でゲームに過度な期待は持てないというのはわかっていたが、このブームを生んだ甲斐智久先生のイラストはファンの心を掴んで離さなかった。
イベントはセンチグッズの即売会と同意であり、関連グッズを求めて大勢のファンが会場へと足を運んだ。
ファンが挙って物販コーナーでグッズを大量に買い漁る光景は第三者から見れば異様であり、全員が催眠商法にかかっているかのようであった。
イラストの美麗さと話題だけが先行して走り続けていたセンチブームも97年8月に行われた「サマーコンサート」後に陰りが見え始める。(グッズに売れ残りが多数出始めた時期だったと記憶してる)
97年後期
97年9月に角川文庫より原作小説「センチメンタル グラフティ~約束」が発売。
97年10月にドラマCD「あの日のままのキミでいて…第1巻」が発売。
97年12月にラジオ「センチメンタルナイト」が放送終了。
「センチメンタル グラフティ」の発売
98年1月22日のサターン専用ソフト「センチメンタル グラフティ」発売。
この直後にセンチブームは終焉を迎えた・・・という認識でも間違いではないが、98年春にはアニメ「センチメンタル ジャーニー」の放送、マキシシングル第2弾の発売などが続いたために緩やかに人気の下降線を辿っていたというのが正解である。
大都市縦断ツアー
98年5月福岡にて5大都市縦断ツアーが開始。
ほぼ新人女性声優による全国5か所を周るツアーは当時としてはかなり珍しかった。(男性声優、アニソン歌手によるツアーはこれ以前よりあった)
SG girls’ 12 all’s last concert
98年8月に「SG girls’ 12 all’s last concert」が中野サンプラザにて開催。
ファンの間でセンチブームが終わったという空気を感じたのはこのラスコン終演後ではないだろうか。このツアー後も幾つかグッズが発売されているが、さほど話題にも上らずに市場から消えていった記憶がある。
番外
センチはWin版発表前後にアジア展開(主に台湾・韓国)を始めるのだが、日本とは状況が違って海外では比較的好評だった模様。
台湾版のタイトルは「青澀之戀」といい、当時を知る現地ファンの証言では大変な人気だったそうだ。(公式コスプレイヤーがニュースに取り上げられたり、銀行のカードになったとの事)
また現地オリジナルのグッズが大量に出ているのを確認している。
センチメンタル グラフティ2の発表
99年に「センチメンタル グラフティ2」の発表が行われたが、大人の事情により安達妙子役の岡田純子さん、原作者の大倉らいた氏が開発から離脱したことに加えて前作主人公を亡き者にするという設定がシリーズの致命傷となる。
当初はセンチ1並みのグッズ展開が行われたが、急速なファン離れを起こしていたために思うように売れなかった。(アミューズメント専用景品に関してはセンチ1・ジャーニー以降のシリーズでは発売されていない)
センチメンタル プレリュードの開発を発表
00年にシリーズ新作「センチメンタル プレリュード」の開発・発売が発表される。
テコ入れとして大倉らいた氏を復帰させ、イベントでファン参加による声優オーディションなどが行われたが、一度落ち込んだ人気が回復することはなかった。
(2018年現在では事実上シリーズ最後の作品となっている)
プレリュードが発売延期を繰り返している間にデジタルノベル「センチメンタル グラフティ~約束」がドリームキャストとプレイステーションにて発売されたが、売れ行きが悪かったのかその後に予定されていた「再会」は音声収録まで行っておきながら発売中止。
約束+/再会+
ゲームソフト約束に関連して過去に角川から発売された小説が「センチメンタル グラフティ~約束+、再会+」として別の出版社から再発売。
再会+にはその後の物語を描いた「告白」が加筆されているが、告白の物語は「安達妙子」編のみで終わっている。
センチメンタル プレリュードの発売
結局プレリュードは00年発表から約4年後の2004年に当初の予定とは大幅に違った形でプレイステーション2用ソフトとして発売。(DC版、Win版、マルチエンディング、フルボイス、メールチャム連動が全て中止)
ゲームはベスト盤まで発売されるもグッズ展開はほぼ行われず、2005年にひっそりとセンチメンタルシリーズは終焉を迎えた。
・・・と思ったら、2019年1月19日に20周年記念イベント(第1部トークショー、第2部コンサート)が行われ、大倉先生執筆による新作ドラマCD制作も決定している。
これからもセンチに新しい歴史が書き加えられていくのかもしれない。
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