縁あってアドベントカレンダーに寄稿させていただくことになりました。
ちゃびと申します。
他愛もない雑文ですが、一時の暇つぶしにでもなれば幸いです。
よろしくお願いいたします。
さて、センチメンタルグラフティ20周年ということを知ったのが、2018年の8月ー
そしてクラウドファンディングの大成功で俄然盛り上がっているセンチ界隈。
私も1月のイベントに向けてこれまでの総復習をと思い、当時高校の友人に借りたドリキャスで1回プレイし心折れたままになっていたセンチメンタルグラフティ2を18年振りに攻略してみたので、その感想などを書いてみたいと思います。
(以下センチメンタルグラフティをセンチ、センチメンタルグラフティ2をセンチ2と略称表記することがあります)
※以下は記事の性質上、多分にネタバレを含みますのであしからず。
【センチメンタルグラフティ2のあらすじ】
主人公は写真部(光画部)に所属する大学生。大学の先輩から大学祭に出展する作品は美人のポートレートを出せと命令されてモデル探しをすることに・・・
1.このゲーム・・・もしかしてクソゲー?
衝撃的な書き出しですが、素直な第一印象です。
当時センチ熱真っ盛りだった自分がなぜこのゲームを積んだのか?
プレイしてみてその理由を思い出しました。
一体それはなんだったのでしょうか。
自分で攻略チャートを作り同時12股をかけるほどまでやりこんだ前作。
深夜バスとヒッチハイクを駆使し一緒に全国を駆け回った主人公の死から始まるOPは、18年経ってもやはり胸詰まる想いでした。
(実は生きていましたが)
なにより傷ついているヒロイン達が見ていられない・・・
とある本作(センチ2)レビューで
「攻略せずにヒロイン達をそっとしておいてあげたいと切実に思ったゲームは初めて」
というのを見たことがありますが同感です。
ヒロイン達の多くが今作主人公をあからさまに避ける様子は、「前作であんなにイチャイチャしていたのに・・・」というプレイヤー(自分)に大ダメージでした。
(多分当時はここで折れてます)
特に序盤。
妙子のこの表情。
落とした財布を拾ってくれた主人公に対して取る態度・表情としてはあんまりです。
まるで台所でゴキブリを見つけた時のようだと感じました。
これだけでもドリキャスの電源を切る理由には十分なのですが、耐えられたのは18年の月日のおかげでしょうか。
それより問題だったのは、総監督の多部田氏をもって
「攻略本なしではクリアできない」
とまで言わしめた難易度と、なんと言っても以下に書くゲームシステムでした。
各スポットにはヒロインがいるかどうか、またイベントが発生するかどうかが上図の▼マーカーの色でわかるようになっているのですが、それを調べるべきスポットが多すぎです。
- 街全体で28ヶ所
- 大学などに入ると中に小マップがありそのスポット数36ヶ所
- 合計64ヶ所!(ルートでさらに増えます)
攻略本を縛って、わけもわからずプレイ開始。
最初は9時から22時まで1時間ごとにすべての箇所をチェックして回っていた為、本当に骨が折れました。
(途中で時間スキップや移動速度変更に気づき、大いに活用しました)
それがゲーム内の時間で4月から6月中盤まで延々と続くのです。
ですが冷静に考えてみると、アポなしで北海道にいき闇雲に道内を歩き回ってほのかを探していた前作主人公のほうが余程ぶっ飛んだことをしていたわけで。
一つの街にスケールダウンしている分マシに思えます。
そんなこんなで仕事から帰ってドリキャスの電源を入れて、大してイベントも起きない退屈な市内警備を長時間行っていると、ちょっとしたことでもつい気になってしまうもの。
最悪の精神状態のせいか、朝の選択肢にもイラつきます。
「街に出る」を選んで大学に行くことができるので、
本当に意味のない選択肢です。
他にも・・・
- 朝9時に〇〇に来て、とだけ言われて曜日指定のないバイト
- 重要イベントを容易にスルーできてしまう(プレイヤーが忘れる)スケジュール帳
- 使う予定もなくただ貯まるお金
- プレイヤーすら聞いていない撮影旅行
- 4月からロクに授業を受けてない主人公(顔は出してる)
などツッコミどころしかありません。
そして迎える大学祭ー
※この時点でリアル2ヶ月掛かってます
なんとかモデルになってもらったヒロインのポートレートも好評の様子。
ようやくこの苦行から解放される・・・このゲームが終わる・・・
と思った時に衝撃の事実が!
そういえば2枚組でしたね・・・
2.肝心のヒロイン達
攻略も見ず見かけたヒロインに片っ端から声をかける雑プレイしたせいもあるのでしょうが、ヒロインに自己紹介してある程度顔も見知った仲なのに、不意に街中で出会うと、
「すごい美人だ・・・あんな娘がモデルになってくれたらなぁ」
などと口走る主人公の記憶力の無さに呆れつつ、個別ルートを進めると次第にまともな美少女ゲームへと変わっていきます。
今回は流れでえみるのルートをプレイすることになりましたが、
「いいのよ、ただのバイト君なんだから」
という結構仲良くなったと思った矢先のアイスバケツチャレンジを耐え、
ディスク2になったらあとはもう一直線でした。
毎日のように発生するイベント。
えみるの苦しみや葛藤がよくわかる良シナリオ。
そしてそれを乗り越えた 復活の「りゅん」・・・
所々で差し込まれる渾身のグラフィックやアニメーションも相まって、まるで別のゲームのよう。
進行もサクサクで一切のストレスを感じることなく進められます。
少しづつ自分を取り戻しつつあるえみるが浮かべる笑顔や台詞は、前半の苦行があった自分にとってのご褒美。
まさに辛い修行を乗り越えた先の「解脱」でした。
3.やはりセンチはいいぞー
ゲームシステムなど細かいところにツッコミを入れるとキリがありませんが、ヒロイン同士の思いもしなかったカップリング(美由紀と千恵がバイト友達とは!)や成長した容姿、前作とは違うヒロインの一面が見ることが出来るよい作品だと思いました。
ヒロインに罵倒されたり蔑まれたりしたいという方なら苦行の前半部分も大いに満足出来ることでしょう。
まだえみるルートしかプレイできていませんが、今度は攻略本片手に他のヒロインのルートもしっかりと見てみたいと思います。
センチメンタルグラフティ20周年イベントまであと1ヶ月と少しー
まだセンチ2を未プレイという方はぜひ一度プレイしてみてはいかがでしょうか?
元ゲーセン店長。センチ熱をこじらせてゲーム会社に就職。現在は普通の会社員。今回プレイに使用したドリームキャストは、先輩社員がボーナスの現物支給で会社から貰ったもの(未使用品)を譲り受けたもの。センチグッズは主にポスターを中心に収集している。
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