【センチメンタルグラフティ2】多部田氏から語られた18年目の真実【総集編/解明編】

既に【前編/疑問編】【後編/考察編】と既にお読みいただいていると信じたいところだが、もしまだであればそちらを読んでから本稿を読んで頂けると楽しめると思われる。

◯扉の向こうの真実

思えば、未だにこの言葉に翻弄され続けていた自分が居た。
ツイキャス放送内で読み上げられた多部田氏のからの特別なメッセージである。

「センチメンタルグラフティの主人公は死んでいません。
皆さんの心の中で生きています、などという概念的な話ではなく
2の設定上でも死んでいません。
実は2のオープニングムービーの中にもその伏線を散りばめて置いたのですが、当時の諸事情で、これをしっかりとお伝え出来ないまま
十数年が過ぎてしまいました。
その事をきちんとお伝えしたかった。」

そして2018年10月15日21:00過ぎのこと。
待ち望んでいた瞬間がやってきた。

センチメンタルグラフティプロデューサー多部田俊雄氏の18年越しの【告白】。
そして、センチメンタルグラフティ(以降センチ)1の主人公の真実。

では、早速伏せられていた事実を紐解いていこう。

◯主人公の家庭環境

主人公はなぜ小学生~中学時代と転校を繰り返していたのか。
それは主人公の家庭環境に有った。

主人公の祖父は政治家(後に大物と呼ばれる程の)をしており、父親は秘書をしていた。
その3代目(自身がどう思っていたのかはわからないが)が主人公である。

12主要都市を転々としていたのは、各都市に居る地元名士を訪ねの将来の地盤形成の為だった。
考えてみればヒロインの中でも妙子、美由紀、若菜、真奈美、晶の家庭環境には
その事に合致する設定が有った。

詳細はセンチ1及び関連アイテムの情報を個々で調べて欲しい。

◯改めて再検証

さて、主人公自身の設定がわかったところで、改めてセンチ2のOPだ。

【前編/疑問編】でいくつか上げたものが今回の放送でもピックアップされていた。
それを補足あるいは修正をする形で紐解いていく。


葬儀

【主人公】のもの。
供花(花輪)の数から「合同葬儀」という結論に達していたが、それは間違っていた。

ここで「ん?ちょっと待て。」と思った人もいると思うが、
その疑問はすべてが終わった後に改めて聞くとしよう。


参列者

大人の男性がほとんど、女性は少なく、老人は居ない。

指摘していたとおり、ヒロイン以外の年齢層が高い。
加えて、男性がほとんどであることがわかるが、よく見ると女性が少なく、年配の方はほぼ居ない事がわかる。


手紙

妙子には日本国内(上部)、明日香には海外(下部)から届く。
主人公が日本国内だけなく【海外に居た】ことがわかる。

多部田氏は他にも何人かにはエアメールだった、ということだが、
残念ながらそれに繋がるヒントを見つけることが出来なかった。


横断歩道の先にある標識

これはブラジルのようだ。
西口女史より「海外、ペルーだったと思う。」のことが有りペルーに限定していたがブラジルも含めた南米を設定していたというのが正しい。


横断歩道を渡る足

【主人公】のものではない。

ここも我々が勘違いしていた部分であろう。
ただ、前回の記事を書くに辺り何度かOP映像を見直していた際、疑問に感じていた。
海外に旅にでている人間がスラックス&革靴を履いているのだろうか、と。


バランスを崩すトラック

過積載と急ブレーキによる横転。

通常、急ブレーキを掛けると車体は前のめり気味になる。
しかし、過積載であれば重心の関係でこのように横滑りになり、横転する。


事故現場の検証(黄円)

普通乗用車をよく確認するとすべて【左側のドア】が開かれている。

日本における右ハンドルの場合、なにか起きて真っ先に開けられるのは【右側】である。
また、これもミスリードだったのだろう。

パトカーのカラーリング(青円)

ブラジルでも同じカラーリングのものが存在する。

パトカーのカラーリングがお馴染みの白と黒であるが、「ブラジル パトカー シボレー・スピン」で画像検索をしてみて欲しい。
そう、遠目には同じカラーリングなのである。

◯そして、扉に手をかける

いよいよ真相であるが、その前に疑問を解消していこう。

前回同様にQ&A形式だが
今回は【Q:Question(疑問)】と【A:Answer(答え)】である。

Q1:なぜ南米だったのか
A1:土地柄、日系人が多かった。また日本から遠く離れた土地(地球の裏側)であり、【遺体】が戻ってこない可能性のある遠い国の必要があった。

Q2:事故にあったのは誰だったのか?
A2:主人公とは違う【別の男性】

Q3:なぜ主人公が死んだと間違われた?
A3:現場の【遺留品】に主人公を示すものがあった。

Q4:死んで居ないはずなのに主人公の葬儀?
A4:前述同様、【主人公を示す】遺留品があった為。

Q5:主人公は【死んでない】のでは?
A5:【死ぬ】を生命の定義で見ると死んでいないが、葬儀を行う関係上、死亡届が必要となる。
つまり、【生きているが死んだ】人となった。

Q6:葬儀を行う前に生死確認は行えなかったのか
A6:Q1に上げたとおり遺体を【戻すことが出来ない】事が原因。
また、主人公自身も事故に巻き込まれており、【意識不明】状態だった。

Q7:なぜ葬儀は大々的に行われた。
A7:一般家庭における葬儀であればこうはなっていなかっただろう。
しかし、主人公の家庭は政治一家である。
一般的に、葬儀への参列者は故人か遺族の知人・友人関係である。
政治家ともなればその規模は大きくなる。
また、「孫(主人公)の死をバネに日本を支えていく」、というパフォーマンスもあり得る。
※政治家を否定するわけではないが、選挙の近い時期に選挙区で葬儀があると、その候補予定者が葬儀に参列することが多々見受けられる。

他に疑問点があればこの記事のコメント、もしくはTwitterに送ってほしい。
【追記】として書き加えていく。

◯扉は開かれた

では、情報を整理しよう。
主人公の死の真相はこうである。

センチ1以降も旅を続けていた主人公は海外にも渡っていた。
各ヒロインには訪問先から近況報告という形で手紙を送っていた。

ブラジルを訪問中、主人公はパスポートを含めた身の回り品が入ったカバンを置き引きされる。
そう、あの横断歩道を駆けているのはその置き引き犯だ。

荷物を取られたことに気がついた主人公が犯人を追いかけ、信号が青に変わったばかりの横断歩道を渡る。
通常であれば事故にはならないはずだった。
しかしトラックには規定以上の荷物が積まれており、結果横転し大事故に発展する。※犯人は自業自得のような気もするが・・・
あれだけの事故である。追いかけていた主人公が巻き込まれてないわけがない。

しかし、不運はそこで終わらなかった。
事故で死んだ犯人(おそらく本当に遺体が残らなかったのだろう)の近くにある遺留品は、彼のものでなく主人公のものである。
現場検証で回収された被害者の遺留品として主人公のパスポートが見つかり、
大使館に照会をかけ、渡航歴を確認したことだろう。

また、追いかけていた主人公の身分を証明するものはなにもない。
幸いなことに日系人が多い土地ということもあり、こちらも間違われて病院へ緊急搬送されたものと考えられる。
事故の影響で意識が戻らない主人公へ身分を確認する方法はない。

そして日本で葬儀が行われる。
棺の中に遺体はなく、遺留品だけが収められていた。
遺影だけは主人公のものである。
葬儀を行うに当たり、必要な書類の提出が義務付けられている。
そして、主人公は書類上で文字通り【死んだ】のである。

ヒロインたちに連絡が行った経緯もこの流れで行くと自然にわかってくる。
妙子の取った電話、泣き崩れる真奈美。
二人には主人公の父親から連絡が入ったのであろう。
シーンには登場しなかったが、若菜のところにも連絡が来ていたと思われる。
そしてほのか、美由紀、千恵はその時外出していた。
晶のところにも連絡が来ていたと思われるが、コンクールの前ということもあり伏せられていた。
明日香、えみる、るりか、夏穂、優には遅れて訃報が届いたのだろう・・・。

彼女たちの中では主人公はもう居ない。
この事実だけが残ったのである。

◯最後の疑問

前回と同じ流れであるが、そもそもなぜ他のキャストは知らない、覚えてないのだろうか。
それについても多部田氏から語られた。

まず、主人公生存ルート帰還ルート(※1)については当初はなかったものである。
センチ2開発に辺り、窪田氏よりオファーがあったが、皆のよく知る「主人公は事故に巻き込まれて死んだ」を前提にしたもの。
大倉氏はこの時点でオファーを拒否し、センチ2開発から外れる。
センチ1の人気が出たことでNECインターチャネルと多部田氏の思惑がズレていき、センチ2の開発を最初は断ったらしい。

しかしながら、センチ1を制作することで【うさぎ組6人】の人生を変えてしまったこと、センチ2の開発をしないことで6人をどうするのかと諭される。

そして参加するにあたり、多部田氏からいくつか条件をだす。

  • センチ1のようにグッズを過度に展開しない
  • プロデューサーではなく総監督または総指揮で収めて欲しい。

※センチ1の時点では色んな事情によりグッズ制作の権利を持ってなかったが
センチ2が発表されてしばらくしてNECインターチャネルに集約されることになる。

開発が進む中で多部田氏の中に一つの思惑が出来る。

「センチ1の主人公をなんとか生かしてみよう」

大倉氏が作り上げた主人公を殺すことは多部田氏の中でも出来なかったのである。

そして計画は秘密裏に動いていく。
多部田氏、プロデューサー、広報の3人だけが主人公生存ルート帰還ルート(※1)を水面下で進めていき外部に漏れないよう、箝口令を敷いた。

センチ2のOPに込められたいくつかの布石・ヒントは、多部田氏から「このシーンではこんな表現にして欲しい」とバレないように慎重に進めた結果である。
一見すれば主人公が死んだと思わせるOPも、見方を変えれば生きているとわかるように。

西口女史が収録した記憶があると言っていたシナリオは、多部田氏が書いたものだった。
最後の収録の際、台本と紙(A4用紙1枚程度)が渡され、収録されたのである。
もう一人、だれか収録が行われたらしいが、記憶に無いらしい。
鈴木(麗子)女史がうろ覚えではあるが微かに録った覚えがあるらしいが自信はないとのこと。

誤算が生じたのはこの時の多部田氏の油断からだろう。
生存ルート帰還ルート(※1)の収録現場に大倉氏に代わってシナリオを請け負った「C.P.U.GO」のスタッフが立ち合っていた。

ライターは激怒。
大倉氏がセンチ2の開発に参加するのを断った理由と同じである。
自分たちが作り上げたシナリオを否定する内容の、全く知らない収録が行われているのである。

結果的にこの事がきっかけとなり、センチ2における主人公生存ルート帰還ルート(※1)はお蔵入りになったのである。

以上が18年間伏せられてきたセンチ2の真実である。

多部田氏は、もっとうまく立ち回ればよかった、と今になって後悔を語る。

これはセンチに限らず全てにおいて言えることだろう。
様々な思惑が様々な方向を向いて、結果的に吉と出るか凶と出るのかはその時になってみないと分からない。

ただ一つ言えることは、キャストの「20周年記念のお祝いをやりたい」という気持ち、ファンの「20周年記念のお祝いを盛り上げたい」、それらは同じ方向を向いている、と信じている。
その結果、クラウドファンディングは稀に見る大成功を収めているのである。

最後に、前回の考察をネタにするのも良し、読み物とするも良し。
どう解釈をし、ゲームをどうプレイするかは各個人におまかせしたい。

と言ったところで、筆を置こう。

--ー「雲の向こう」を聞きながら。霧耶


【前編/疑問編】はこちら

【センチメンタルグラフティ2】発売から18年を経て明かされた新事実を考察してみた【前編/疑問編】

【後編/考察編】はこちら

【センチメンタルグラフティ2】発売から18年を経て明かされた新事実を考察してみた【後編/考察編】


※1[追記]
2018年11月5日放送のシシララTVの生放送 【シリーズ20周年記念特番】『センチメンタルグラフティ1&2』をつくった人&演じた人と実況・第二夜 において、多部田氏から生存ルートではなく期間ルートである旨が語られた。

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