1∞点満点のセンチ20thイベントを考察する

センチファンの皆様、こんにちは!

今日もせつなさ炸裂してますか?Pinckneyと申します。

20thイベントが終わっても溢れるセンチ愛が抑えきれなくて、当サイトに寄稿させて頂きました。

今回は、センチ20thイベントが何故ここまでの成功を収めることが出来たのか、そして今後の展望について、SGガールズ達製作者サイド、そして我々ファンサイドにおいて何が出来るかについて考察を述べさせて頂ければ、と思います。

何故、センチ20thイベントは大成功を収めたのか?

2019年1月19日、この日イベントはこれ以上無い歓声と歓喜の涙をもって大成功を収め、幕を閉じた。しかしSGガールズ及びファンの双方のセンチへの熱い思いは、一向に治まっていない。筆者もその1人である。何故なのだろうか。

筆者が思うに、Customer Satisfaction(顧客満足度:以下、CS)の高さがセンチ20thイベント大成功の要因だと考えている。では、CSを高めるためにはどうすればよいのか?

お客様目線に立つ

まず1つ目として、お客様目線に立つ、ということが挙げられる。

センチメンタルグラフティという商品(コンテンツ)において、SGガールズである彼女達は企業(声優事務所)の社員であり(個人事業主でも有り得るが)、我々センチファンはお客様なのである。センチ20thイベントのチケットやグッズをファンに購入して貰うためには、彼女達は我々を満足させる必要がある。

どうしたら我々が20thイベントを満足して頂けるかを、彼女達が我々と議論した場がツイキャスである。この場でSGガールズとファン、それぞれがざっくばらんに意見を出し合うブレインストーミング(以下、ブレスト)をツイキャス上で何度も行った。これを元に彼女達は当初の構想を元にして、どんなイベントにしていくのか、内容を洗練していったことになる。

そう。これは、PDCA(Plan(計画), Do(実施), Check(評価), Action(改善))サイクルである。
Plan, Do, Check, Actionの4つのサイクルを繰り返し行うことで、20thイベントで何をすべきか、どんなグッズを作ったら良いのか、という元々考えていた彼女達の「計画」に対し、ツイキャスを「実施」することにより、我々の反応(「評価」)を見ながら少しずつ内容を「改善」させていったのである。

クラウドファンディング(以下、CF)を実施する前からイベントをすることは、ツイキャス当初よりSGガールズが発言していることから、イベントを実施するに当たって、ツイキャス前からある程度の構想は練られていたのであろう。
そして、CFにてチケットの余剰が出た場合、コミケにて手売りするといったバックアッププランをツイキャス前から計画しているところを見ると、かなり用意周到に計画していたものと推察する。

ただ、事務所や版権上の問題を処理する必要があることから、最初の「あなたに、会いたい・・・」というツイートから最初のツイキャスまで約半年の時間を要してしまったのであろう。
今後のイベントについて多部田俊雄氏が、「当分やりたくない」と発言しているところから、相当な根回しが必要であり、そのための労力と時間が必要だったと推察される。
西口有香嬢の「イベントやりませんか?」という相談を当初スルーしたのは、根回しの大変さが分かっていたからではないだろうか。多部田氏には本当に感謝したい。

そして彼女達も我々と同様、センチメンタルグラフティが好きであったことである。うさぎ組のメンバーは、センチメンタルグラフティがデビュー作であり、思い入れが強いからかもしれない。
SGガールズ自身が「センチが好きである」こともお客様目線でのイベント開催が出来たことの要因の1つであったと思う。そうでなければ、人目憚らずあれ程の涙を流す訳が無い。

トラブル対応

2つ目として、トラブルに対する迅速な対応が挙げられる。トラブルが発生することは問題ではない。トラブルに対し、如何に迅速に対応、処置することが重要なのである。

9月中旬、CFを実施するに当たり製作者サイドで一方的にリターンを決めることに不満の声を持ったファンも多くいることだろう。
2019年1月19日にイベントを開催するためには、彼女達には時間はあまり残されていないことは理解するが、リターンを発表するまでに到る経緯を説明する時間や、リターン内容をブレストする機会が不足していた。例えば、生バンドは結果としては最高の演出であったが、何故必要であるかの説明が行われていなかったため、ファンの不満の要因となった。
ただ、一般企業に勤めた経験の無いSGガールズが、ツイキャスという場での慣れないブレストやリターンの必要性についてのプレゼンテーションを適切に行うことはさすがに無理があったと思う。
こればかりは仕方が無いかと感じる。ただもう少し時間が欲しかった。

しかし9月16日のツイキャスの後、「何故このイベントをやりたいのか」「そのイベントはどういうものでどう楽しいのか」「それはいくらかかるのか」「リターンに対するメリット及びデメリット」について、ファンとの議論が十分になされていないにもかかわらず、CFを開始しようとしていることに危機感を感じたbamboo氏がSlackに現れ、CFのリターンに対するファンの意見を吸い上げている。

そしてbamboo氏、CAMPFIRE社の奥村郁耶氏達と共に彼女達は、吸い上げた意見を元に緊急会議を行い、双方が歩み寄った形のリターンを提案した。
このリターンを決定することは本当に難しかったと思う。センチメンタルプレリュード(以下、センプレ)の発売から約15年間主だった活動は無かったため、ファンがどれ位居て、どんなリターンを望んでいるのか把握できなかったのだから。
それでも、限られた時間の中でファンが満足出来るリターンを提案するというトラブルシュートを、CF経験豊富なbamboo氏の助けを借りながらも、彼女達は迅速に成し遂げた訳である。

そんな最中の9月28日のツイキャス中だっただろうか、彼女達の一生懸命な「熱」を感じ、筆者は初めて出来るだけの支援をしたいと感じた。
CFがうまく行かなくて悲しい顔をした彼女達を見たくないという感情が湧き上がったのだ。
一生懸命で迅速なトラブル対応により、少なくとも筆者の満足度を向上させたのだ。そう思ったファンは多いと思っている。

ツイキャスの中では「圧」という言葉が盛んに使われてきた。一見、ラスボス(大御所)である豊嶋真千子嬢が、他のSGガールズや奥村氏に圧力をかけているように見えるが、実際一番「圧」を受けていたのは彼女ではないのか。
ファンからの辛辣な意見も飛び交う中、矢面に立ちSGガールズを纏めた彼女はラスボス、いやリーダー足りえる存在であったのではないか。藤田淑子女史も遠くから「豊嶋、あんたやるじゃない。20年前から随分成長したわね」と言ってくれているはず。

朝まで続いたLINE会議は順調に進まず意見の対立等もあっただろう。ファンの様々な意見に対しどうしようかと動揺したこともあっただろう。心無い人(そんな人物はファンとは呼べないし、呼ばせない)のアンチテーゼに気を落としたこともあっただろう。でも彼女達はそんな顔一つもせずに笑顔を我々に振りまいてくれた。
そんなSGガールズが筆者は大好きだ。今までも、そしてこれからも。

SGガールズとファンの距離の近さ

そして3つ目として、センチ20thイベントはキャストとファンの距離が物凄く近いことが上げられる。
ツイキャスやtwitterで直接キャストとファンがコミュニケーション出来る、そんな親近感が顧客であるファンの満足度を向上させていると考える。これは、AKB48等の会いに行けるアイドルと同様の現象である。
そしてキャストとファンが一体となりイベントを作り上げていったという点では、他では例を見ない。

イベント自体のキャストとファンの距離はどうだろうか。
今回の会場である一ツ橋ホールは約700の観客を収容することが出来た。筆者はライブハウスでバンドのライブを見に行くこともある。観客が100人程度のライブハウスで最前列にいる方が距離感としては近いはずなのだが、そうは思えない。
また筆者は25年来のB’zファンであり、B’z LIVE GYMのクオリティにはいつも圧巻される。彼らは音楽のプロだ。
だがLIVE GYMでもかつて味わったことの無い快楽(満足感)を、筆者はセンチ20thイベントで得ることが出来た。何故だろうか。

それは、1月19日のトークイベントやコンサートだけではなく、長い長い約半年間に及ぶツイキャス、毎日更新されるブログやtwitter、キャストとファンの交流、そしてイベント本番。
これらが少しずつ距離感を縮めて行くことで、コンサートでの一体感を生んだからこそ、これ以上ない満足感を得られたのではないか。ツイキャスが始まった時には既に20thイベントは始まっていたのだ。
イベントを作り上げていく中で、お互いが楽しい、嬉しいと感じることが出来る、そんな距離感の近さが満足感に繋がったのだと思う。

20thイベントのオフ会では、センチの事は嫁には黙っているとか、イベントには嫁を説得して遠方から参加しているという声を数多く聞いた。20年前好きだったセンチがまた好きになったとのことだった。
筆者もそうだ。1月19日まで少しずつ距離感が縮まり、センチへの思いも少しずつ強くなり、20年前よりもセンチが好きになってしまった。
最初はイベントに行けばそれで良い、と感じていた程度だったはずが、最終的には自分に出来る限りのことをやりたい!と思うまでになり、うちわを自作したり、ペンライトをデコレーションしてみた。イベントではコール本を見ながら全力でコールしてしまった。
皆も筆者と同じように少しずつセンチへの想いが強くなり、キャストとファンの距離が縮まり、センチのことがまた好きになっていったのではないか。
だからこそ、かつて味わったことの無い満足感を得られたのではないか。

CSを高くする必要性について、彼女達は誰からも教えられてはいないだろう。センチへの熱い想いにより自然に体得していたのだ。
企業に勤めてからCSの必要性を学んだ筆者としては、驚きを隠し得ない。

今後の展望は?

この20thイベントでは我々の期待を超える満足感を与えてくれたと思う。前述のとおり、CSを上げることにより、顧客はその商品をリピートして購入することに繋がる。そして新規顧客を増やすことが出来る。

今後の問題点

しかし、ここで問題点がある。このセンチメンタルグラフティという商品において、イベントはおろか、グッズの展開等は全く不透明な状況にあるということである。せっかく顧客がこれ以上無い満足を得られたにもかかわらず、これでは利益に繋がらない。企業であればこれは非常に重大な問題である。
また、SGガールズはファンのツイキャスやtwitterに対する返信をこまめにしてくれていると思う。
支援金は既に回収しているので、商売であるのであれば本来はそこまでする必要は無い。
ファンとしては本当に嬉しい限りではあるが、これもまた利益に繋がっていない。

よくセンチ3の発売を希望する声を耳にするが、実現はかなり難しいものと筆者は考える。ゲームの販売本数を考えてみよう。センチ1(1998):約24万本→センチ2(2000):約8万本→センプレ(2004):約1万本である。
またセンプレの発売から約15年経っていること、twitterのフォロー数は約5000であることから、センチ3の販売本数はどんなに頑張っても5000本前後ではないだろうか。
一方、ソフト開発費を1億円、ソフト価格を7000円、メーカ利益を25%と仮定すると、約20000本を売り上げないと赤字となってしまうが、上述の5000本とかなりの開きがある。
以上の数字から残念ではあるが、センチ3を期待するのではなく、他の展開を行うべきだと考える。
どうしてもセンチ3を発売するのならば開発費を抑えるなどのコストダウンや、メーカ利益を多くするためにコンシューマ機以外で発売する等の対応が必要であると考える。
筆者もセンチ3は欲しいが、無理なお願いはするべきではないと思う。

無償のセンチ愛は必要ない!

今回のCFでは約3470万という、目標額の347%もの支援金を得ることが出来た。
しかし利益はあったのだろうか。むしろ赤字ではないのだろうか。
前述のとおり、センチ20thイベントは高いCSを得たが、そのためには沢山の労力とお金が必要となる。
20thイベントでは自分達の時間と支援金をふんだんに使った結果、CSを上げることに成功したが、本来は出来るだけ労力とお金を使わずCSを上げる工夫が必要である。

SGガールズは支援金の中からギャラを貰っているようだが、この1年間の対価として考えると雀の涙であろう。実質タダ働きに近い。またCAMPFIRE社からも奥村氏の献身的な活動や、ツイキャスや会議を実施するための場所や機材を提供頂いている。多部田氏にも1月19日当日の準備や物販人員をプロトタイプ社より派遣頂いている。そして物販の価格は他のイベントのそれよりも抑えられている。
以上のことから、製作者側からの労力と持ち出し金(利益度外視)という、無償のセンチ愛があってこその20thイベントであったと思われる。

しかし今後も同様のイベントを続けて行きたいのであれば、過剰な労力の浪費と利益度外視は止めて頂きたい。むしろ今後も定期的にイベントをやって頂きたいからこそ、過剰な作業を限界まで頑張ることは避けて欲しいし、鈴木麗子嬢が否定的だった外注も出来るだけして欲しいし、イベントのチケットやグッズが高額になっても良いから利益を出して欲しい。
そうすることで、センチメンタルグラフティが彼女達の定期的な仕事の一環として欲しい。あくまで筆者一個人の意見ではあるが。

もっとも、今回得た経験と衣装と人脈は使い回すことが出来るので、次回イベント開催時はもう少し楽に、安価に出来ると思うが。

彼女達はセンチをどうして行きたいのか?

1月27日のツイキャスにおいて、SGガールズ達はセンチを今後どうしていきたいのかを語ってくれると期待していたが、その旨の発言は無かった。前述のように、決まっているのはゲシュタルト・オーディン位で、おそらく今後の予定は不透明と思われる。

センチ20thイベントが大成功を収めた今、彼女達だってセンチ関係の仕事はしたいはず。20thと同様のイベントを今後もやっていきたいはずだし、ゲーム等の新しい商品についても展開していきたいはず。
しかし今はそういう発言が出来なくて、ただ成り行きを見守るしかないのであろうが、何らかの圧(熱)をSGガールズ達から関係各位にかけてくれると、嬉しい。

我々が出来ることは何か?

我々もSGガールズと同じように、今後のセンチにおける何らかの動きを期待している。LINEスタンプや、センチ2の20thとか、25thを望む声もちらほら聞こえてくる。
ではこれらを実現するためには我々ファンはどのように行動していけば良いだろうか?

既存品の購入

1月22日に「センチメンタルグラフティ~約束~」のPSゲームアーカイブス版が発売された。価格も617円(税込)と安価である。PS版を既に持っているという方も多いだろうが、ここはあえて購入をお薦めしたい。
というのは、今後新しい商品を発売するための判断基準になり得るからだ。アーカイブス版は単なる既存品の焼き増しかつデジタルコンテンツであり、売れなくてもガンホー社にとって赤字にはならないため、問題にはならない。
だが、今後新商品を発売するためにはお金が必要である。そのための判断基準としてアーカイブス版の売上本数を増やすことは、我々に出来ることの1つではないのか。その他、ゲームやDVD等の既存品についても購入することで、売り上げに貢献してはいかがだろうか。

ブログやtwitter等での地道なアピール

今回筆者はこの文章をGOUTEN氏のサイトS.G.F[Sentimental Graffiti Fan]に寄稿させて頂いている。ここには有志の愛で溢れたセンチに関する記事が載せられているが、S.G.F以外にも愛に溢れたサイトは沢山存在する。
そしてファンのtwitter等でも毎日沢山のセンチに関する想いが綴られている。
ブログやtwitter等で「我々はセンチメンタルグラフティが好きなんだ!」と日々アピールをすることも、我々に出来ることの1つだと思う。

権利関係を持つ企業・人物に圧(熱)をかける

現在、センチメンタルグラフティの版権はガンホー社が所有している。現在のところガンホー社がセンチ関連で発売したものはアーカイブス版の発売にとどまる。

上述のように、ブログやtwitterでのアピールだけでなくガンホー社の株主総会で意見する等を行うことで、権利関係を持つガンホー社や、製作者である多部田氏や大倉氏、甲斐氏に「センチが好きな人間がこれだけ沢山いるのだから、新しい商品やイベントを展開しても良いだろう」と決断するように圧(熱)をかけることも必要であり、我々に出来ることではないか。

最後に

今回のイベントを評価するならば、100点満点と言おうと思ったが、この上ない満足度を得られたということを考えると、点数を付けようが無い。
言うなれば1∞点満点だ。そんな気持ちにさせてくれたセンチ20thイベントに対して、改めてこう言いたい。

おめでとうセンチ20th、ありがとうセンチ20th。これからもよろしく。

 

最後に、センチ20thイベントを開催することを決断してくれた人達にお礼を言いたい。

お忙しい仕事の合間を縫ってご尽力頂いた鈴木麻里子さん、前田愛さん、今野宏美さん、満仲由紀子さん。
W妙子として新しい安達妙子を、そして感動を作り出して頂いた岡田純子さん、有島モユさん。
イベントを成功させるために各メディアに数多く出演されてきた、息の合ったナイスコンビの西口有香さん、鈴木麗子さん。
東京広島間を、幾度と無く東奔西走して頂いた米本千珠さん。
SGガールズのリーダーとして、イベントを引っ張って頂いた豊嶋真千子さん。
暖かいコメントをお寄せ頂いた牧島有希さん、岡本麻見さん、小田美智子さん。SGガールズは13人、そう感じさせてくれました。
また裏方としてご尽力頂いた多部田俊雄さん、濱田智之さん、奥村郁耶さん、bambooさん他スタッフの皆さん。
新しい12人を描いて頂いた大倉らいた先生、甲斐智久先生。
素晴らしい生バンドをご披露頂いた大津惇さん達。
そして筆者と同じように20年間センチメンタルグラフティを好きでいてくれたファンの皆さん。
センチで溢れた楽しい毎日を過ごすことが出来ました。ありがとうございました。

長文駄文、最後までお読み頂きありがとうございました。

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