今回は簡単なコラムとしてファミ通ブロスに連載されていた、漫画のお話をしたいと思います。
ゲームが伝説ならば、こちらは幻です。
センチメンタルグラフティ ~あの日のままのキミでいて…~
これが連載していた漫画のタイトル。
センチメンタルラジオドラマ、からのドラマCDと同じタイトルですね。
ファミ通ブロスが漫画雑誌としてリニューアルしたのが1997年の11月
で、ファミ通ブロス1998年1月号(ややこしいw)
その次の1997年の12月に発売されたファミ通ブロス1998年2月号からこのタイトルが連載されました。
1号につき2話掲載の掲載で、南から北上する流れで、初回は遠藤晶と松岡千恵のエピソードからスタート。
ですが、残念なことに1998年2月の1998年2月号、連載3回(6話分)をもって打ち切られてしまいました。
最初は作者急病とかよくある話だし休載かなと思って連載再開を待っていたのですが、待てども待てどもその再開の日は来ず、「ああ、打ち切られてしまったのか…」と大体半年くらい経ってから悟りました。
連載第1回の見開きで全員分の顔を描いていたことですし、せめて残りの6話も含めて単行本として販売するかなと期待していたのですが、ついにその時も訪れることはありませんでした。
非常に残念に思いながら、そっとセンチの連載部分だけファミ通ブロスから切り取って保存する僕でした。
謎の作画担当「浅瀬ヒカル」
連載当時のクレジットは、以下のようになっていました。
- 原作:大倉らいた
- コミック:浅瀬ヒカル
- キャラクター・デザイン:甲斐智久
原作、キャラクターデザインは言わずもがななので割愛するとして…作画担当の「浅瀬ヒカル」が、未だに謎です。
この記事を執筆している現在、調べても全く出てきません。
「データベースブロス」というファミ通ブロスの情
報をまとめたサイトは出てきたんですけど、僕の知ってる情報しかありませんでした…。
誰か知っていたら教えてください!
ストーリーはドラマCDを忠実に再現
前述のとおり、タイトルがドラマCD「センチメンタルグラフティ ~あの日のままのキミでいて…~」 なので、ストーリーもドラマCDそのままです。
ところどころセリフをカットして入るものの、概ね筋通りにコミカライズされています。
メディアによって間とテンポの表現する手法は違うので、必要なカットアイデアなのかもしれません。
松岡千恵のエピソードでは、弟の慎吾がやっているゲームはセガサターンの何かという小ネタもあったりします。

構図も完全にビジュアルをトレース
本来なら漫画は動きがあってオリジナリティがあるものなのですが、この連載については、甲斐智久さんのキービジュアルのポージングを完全にトレースしているものが多かったです。
以下に一部比較画像を用意しましたので御覧ください。
case1.遠藤晶

バイオリンを盛っている以外は、輪郭、表情、目の角度、紙のウェーブ加減等、完全一致です。

表情が違うのみでスカートのシワまでほぼ再現

髪型、服の皺等含め、反転させての再現。目の大きさだけ違う感じがする

CDジャケット絵になったものを手の位置まで見事に再現
case2.松岡千恵

反転させて構図の再現をしている。服装と表情が違う。小回りでうまくヘッドホンを描かないようにしている工夫も見られる。

腕の角度と髪型、表情が酷似。ストーリー上、服装だけ変えている。

ズバリ構図の角度を変えての再現。汗の位置まで同じとは恐れ入った。
case3.七瀬優

表紙だから気合い入れて再現したのだろうか。服の影部分を服のシワのように見せてしまったのが残念なポイントかも?

髪型に注目。顔のバランスが違ったりしているものの、手のあげ方まで再現。

これも反転させての非の打ち所がないほどの構図再現をしています。
case4.杉原真奈美

構図、リボン等オブジェクトともに完全一致です。わりと気合が入ったふうに見えますが、浅瀬先生は杉原真奈美クラスタなのでしょうか?

漫画のほうでは手のみの描写なのに、完全に一致しています。

反転させて構図を再現しています。ここではビジュアルが入り切らなかったのですが、小鳥の描き方も場所が違うだけで一致していました。
case5.森井夏穂

表情が少し違うものの、構図は完全に一致しています。

これも角度まで完璧に再現しています。さらに驚くべきは、まつげの描き方まで再現しているところ。

目尻と横髪の描き方がちょっと違う程度で、元絵を反転させている構図です。
case6.綾崎若菜

服こそ違えども、これも髪の毛の描き方に注目。

反転しての構図再現ですが、惜しいことに胸章が描かれていません。まさか私立紫雲女子高等学校ではない…?

手の描き方から、この元絵を反転させて角度を変えての構図と思われます。シュチュエーションが違うので、ブラシを持った手を省略して、服を変えています。
Case.6 までしか連載していなかったのでここまで。
いかがだったでしょうか。
公式だからって、浅瀬先生、いさぎよすぎです(今思えばそういう指示だったのかもしれない)。
もはや原画をコピーしてトレース台に敷いて書いたんじゃないかレベルに思えます。
甲斐先生のキャラクタービジュアルは綺麗すぎてポージングも絶妙だったので、同じポージングが描かれることはファンにとっては嬉しいコンテンツであったと思います。
しかしながら、これは連載当初から感じていたことですが、せっかく多角展開しているのだったら、もっと違う形のストーリー、動きでもよかったのではないかなと思います。
面白さって、絵のクオリティだけじゃないですしね。
もやもやはいつまでも残る
打ち切り、未単行本化とあまり日の目を見ることがなかった連載、
謎は20年残り、アーカイブ化もされないこのコンテンツ、きっとこれからもコンテンツとして復活・補完されることはないのだろうと思います。
そういうもやもやも含めて20年前の素敵な思い出として、そっと心にしまっておきます。
でも本当は、残りの連載に…会いたい。
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みんなー!
ファミ通ブロスで連載してたセンチメンタルグラフティの漫画、6話で打ち切られて単行本も出なかったやつだけど覚えてるかい?#センチメンタルグラフティ #センチメンタルグラフティ20周年 pic.twitter.com/1O34QkmZCH— GOUTEN (@gouten5010) January 22, 2018
雑誌ごと保存してる人とかいないかな?
この件(打ち切りとか浅瀬先生とか)についてだれか詳しいことを知っていたら教えていただきたいです。切実に。
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